AV女優のお仕事が減ってしまう?大丈夫です01月12日
2022年になって一部で「AV女優の仕事が減ってしまう」というニュースが出ています。
これにAV女優や作家、コメンターなどが同調するようなコメントを残しているためにまことしやかに広がっているのです。
では本当にAV女優の仕事は減ってしまうのでしょうか。
ここでは「AV新法」とAV女優の仕事の関係性について紹介していきます。
AV新法の影響
2022年に登場した「AV新法」は18歳に成人年齢が下げられたことから年齢に関することと、AV作品の出演者が契約を無条件で解除できるという内容のもので、正式には「AV出演被害防止救済法(AV新法)」というものです。
ではAV女優を守るために作られたAV新法がなぜAV女優の仕事を減らすことになっているのでしょうか。
まず関係している人たちのコメントを見ていきます。
女優・金苗希実さんのTwitterコメント
「7月決まってたAVの撮影が全部中止… AV新法で女優が守られるどころか仕事が無くなって現役の女優たちが苦しむ構図って誰得なん。。」
参議院議員・塩村あやかさんのTwitterコメント
「決まっていた撮影が中止に?なぜ?救済法は施行日以前に交わした契約は有効です。まだ施行日ではないし、7月の撮影を中止にできる法律ではありません。特にこれまで継続していた女優さんであれば信頼関係もできているはずなので、中止にする理由を確認したほうがいいと思います」
女優・月島さくらさんのTwitterコメント
「決まっていた撮影、といっても以前は「撮影内容、ギャラ、拘束時間、日にち」までしか決めていません。契約書を書くのは当日です。呼び出して今書かせるという手を取るメーカーもありますが、遠方組の女優もいたり自分のスケジュールをあけられなかったり様子見したいからと取りやめにするケースが多いです。この先作品の幅も狭まり、共演ものがリスク回避のために減るとなると、起用される女優数が減るので必然的に一人一人の仕事が減ります。あなたは私たちを苦しめているだけです。せめて賃金補償してください」
ひろゆきさんのTwitterコメント
「AV撮影が前もって契約してから撮影すると信じてた素人政治家が「女優は契約をキャンセル出来るし掛かった費用を払わなくていい」法律を作ったので、AV撮影がキャンセルになりまくりAV女優が困っている図。障がい者の過剰保護で、善意で小人プロレスのレスラーを失業させたのと同じ構図」
作家・中山美里さんのTwitterコメント
「適正AVという仕組みを作った時に、とても画期的だったのがオムニバスなど撮影した作品を再利用した場合、二次利用料が女優に支払われる。その際、プロダクションの取り分はなく、メーカーから直で女優に支払うというシステムがある。この二次利用料は年2回支払われ、女優さんにとっては大きな収入源になっていた人も多い。だが、AV新法により、オムニバスをメーカーが自由に作れない状況に陥っている。きっと、女優さんの二次利用料も今後は減ってしまうのだろう。なんだ、この法律。仕事と収入がなくなる一方じゃないか!」
女優・宝田もなみさんのTwitterコメント
「AV新法のせいでカフェで勉強する女子高生の横でアダルトビデオ出演承諾書書く羽目になって勝手に気まずい…」
女優・野咲美桜さんのTwitterコメント
「この間お会いした男優さんが、AV新法は「草野球で起きた問題でプロ野球を抑制して草野球は放置するようなもの」と凄く分かり易い例えをしていました。バイトを含めたら色んな仕事をしてきたけど適正AVの現場ほどクリーンで働きやすい場はありませんでした。やっと見つけた居場所を壊さないでほしいです」
女優・大槻ひびきさんのTwitterコメント
「AV新法の対応に追われとてつもなく大変な日々でした。メーカーさんや事務所さんが対応に追われ皆さん疲労で顔が青ざめていました 私も仕事の合間に沢山の契約書に判子を押したりバタバタで 可決して今後本当に日本のAVが消えてしまいそうで怖いです 私達から大切なものを奪わないで下さい」
女優・須崎美羽さんのTwitterコメント
「AV新法によって仕事が急激に減る人もたくさん出てくるんだろうなぁ…私たちの仕事って悪いことしてるのかな。税金もちゃんと払って、仕事してるだけで他の仕事と違うのかな。AVや風俗をやってるだけで「そんな仕事…」って言われることあるけど、でもどの仕事にも仕事って人の為にあるんじゃないかな」
AV新法の主な内容とは
この法案の主な部分について紹介していきます。
・出演者に対して性行為を強制してはならない(第3条)
・出演者の年齢・性別にかかわらず、映像の公表から1年間(施行当初は2年間)は無条件・違約金など無しで、契約を解除できる。(第13条)
・契約解除の場合、制作・公表者が商品を回収するといった原状回復の義務を負う。(第16条)
また事業者に対しては罰則なども定められ、実効性を高める規定も盛り込まれています。
・制作・公表者は、契約時に撮影で求められる性行為の内容などを記した書面を渡したり、出演者が特定される可能性などを説明する義務を負う。(第4-6条)
・虚偽の説明をおこなったり、契約解除を防ぐため脅した場合、事業者は3年以下の懲役または300万円以下の罰金を課せられる他、法人の場合は1億円以下の罰金。(第20-22条)
さらに出演者を保護する規定として、
・撮影は、契約書などの提供から1か月経過後におこなわれる。(第7条)
・作品の公表は撮影から4カ月を経ておこなわれ、撮影後には出演者に映像確認をおこなう必要がある。(第9条)
といったものがあります。
こうした法律の内容に対応するために、メーカー、制作会社、プロダクションが対応作業に追われているということがあるのです。
そしてその影響が現場のAV女優にも出ているという結果になっているのです。
なぜこのようなことになっているのか
まず一番大きいのが「現場と国会議員の認識の違い」です。
参議院議員の塩村あやかさんが言っているようにこの法律はこれまでに契約が交わされているものについても有効となっています。
そのため、本来契約をすべて白紙にして契約を結びなおす必要はありません。
新たに契約を結びなおさなくても対応できるのです。
しかしAVメーカーや制作会社では、以前に結んだ契約などのままで撮影をして後から何かトラブルがあったら大きな損害を受けることとなります。
作品を発表できない、といった最悪の自体も考えられます。
それを防ぐために一度撮影契約をキャンセルして新たに契約を結んだ上で撮影に臨もうとしているのです。
それが2022年6~7月の時期に集中したため、一時的に「仕事がなくなった」「仕事が減った」という状況になっていると考えられます。
もちろんAVメーカーや制作会社はAV作品を作るのが仕事です。
すべての撮影をキャンセルしてもう撮影しないということはありえません。
これは一時的なものであって、すぐに元に戻っていくというのが大方の考え方となっています。
そのため、「AV女優の仕事がなくなる」ということはないといって良いでしょう。
まとめ
AV新法が制定されたことで、これが定着していけばより安全にAV女優が仕事をしていくことができるでしょう。
ただ、成立したばかりの時点では現場に与える影響は大きく、一時的に契約がキャンセルされたり、契約を結びなおす作業が発生したりしているのも事実です。
こうしたことはあくまでも一時的なものとして考えられますので、これから「AV女優の仕事がなくなる」というわけではないことを知っておきましょう。